校長挨拶

校長あいさつ

白鴎大学足利高等学校
校長岡部 宣男

来年度、高校生は3学年すべての生徒が2000年以降の生まれになります。今後の社会の担い手として生徒たちが生きていく21世紀は、地球環境の変化、人口増加に伴う食糧不足、各種資源の枯渇、絶えない内乱やテロなど、様々な問題が山積しています。その上、社会のグローバル化はさらに進行し、IT技術やAIなどもますます進歩していくため、職業のあり方や働き方などが大きく変化することが予測されます。
そんな中、高校教育にも大きな変化が続きます。2020年度には現在のセンター試験に替わる「大学入学共通テスト」が、2022年度からは新学習指導要領が年次進行で実施されます。今後は「生きて働く知識・技能の習得」「未知の状況にも対応できる思考カ、判断力、表現力などの育成」「学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かうカ・人間性の涵養」などの、いわゆる「21世紀型の資質・能力」の育成が求められるようになるのです。

平成27年度に創立100周年を迎えた本校も、こうした高校教育の流れを汲み、そして、これからの社会を見据え、学校改革を実施することにしました。主たる改革は、本校舎の普通、総合選択、商業の各コースの募集を停止し、上級学校(大学、短大、専門学校)への進学を目指した教育を行う総合進学コースの開設です。
総合進学コースは、文理進学コースに準じ、進学に必要な基礎科目の学力を確実に身に付けるとともに、二年次からは希望の分野(子ども教育、アスリート、情報システム、ビジネス、文理教養)に分かれて選択科目も履修します。朝学習、進学補習、模擬試験、資格試験などを通して、三年次には多様な入試(一般入試、推薦入試、AO入試など)に対応した進路指導を実施し、新しい時代の中で、主体的・対話的な深い学びの視点から、質・量ともに高い学力の実現を目指していきます。

さて、ここ数年の生徒を観察していると、生徒同士による学び合いが減ってきているように感じます。少子化や子どもの遊びの変化から、子どもたちが野外で遊ぶ姿を見かけることもなくなってしまいました。かつて、子どもたちは、親の干渉なしで大勢で一緒になって遊び、その遊びを通して先輩に対する態度を学び、後輩に対する心を養いました。つまり、それぞれの年齢に応じた課題を子ども同士の交流の中で見つけ、克服していったのです。しかし、そうした経験が少ない今の高校生は、互いに学び合おうと考えないのかもしれません。新学習指導要領の中には「他者と協働し新しい価値を創造する力」「他者と支え合ってよりよく生きるための思いやりや優しさ」などの言葉があります。生徒同士の学び合い、さらには人と人との関わりの必要性も感じさせる言葉です。

ところで、ある種の才能が一定レベルを超えると、人々はその人を「できる人」と賞賛します。しかし、その人が人格的にも優れているとは限りません。人間の価値は才能のみではなく、社会の中でいかにたくましく生き、いかに周囲の人々に敬愛されるかです。気配り、心遣い、他人の心の痛みを理解できる、つまり「できた人」として行動していけるかということなのです。「できる人」と「できた人」、たった一字違いでも、その意味は著しく違います。
「人間一生勉強」という言葉があります。これは「できる人」に対する言葉ではありません。遠い道のりであっても、一人ひとりが「できた人」を目指しなさいという励ましの言葉なのです。
生徒の皆さん、多くの個性と触れ合ってください。自然を愛し、様々な体験を積んでください。そして、道義への感覚鋭い人間であってください。「できる生徒」である前に、人柄のよい「できた生徒」であることを、よき選手である前によき生徒であることを心掛けてください。